治験コーディネーター(CRC)に看護師から転職! 辛い仕事は書類作成などオフィスワーク?

看護師の資格を保有しているナースが治験コーディネーター(CRC)の仕事に転職したとき、どのような辛い悩みをもつでしょうか。どうしても病院勤務時代の経験と比べてしまうかもしれません。患者を直接処置することはなくなる一方で、看護のお仕事では感じなかった治験コーディ特有の辛い悩みを考えてみました。
目次
看護師が治験コーディネーターのお仕事で辛いこととは?

患者や医療機関との連絡に加えて治験情報収集やデータ入力で多忙を極める治験コーディネーター(CRC)ですが、看護師として看護実習では経験しなかった辛さが数多くあります。
突然の呼び出しがある
被験者の組入れにはスピードが求められます。治験契約後に調査や審査のプロセスがありますが、その進捗によっては治験コーディネーターの休暇中であっても急遽呼び出されることがあります。被験者にSAE(重篤な有害事象)が発生した際も治験責任医師と緊急の連絡を取り合う必要があります。
事務や書類作成が多い
看護師として病院勤務したとき、各種記録や計画書など意外なほど多い量の書類作成業務に驚いた経験はないでしょうか。電子化や医療事務との分業が進んで、今はそれほど感じないかもしれません。単純に作業量を比較しても仕方ありませんが、治験コーディネーターに初めて就職すると、病院とは種類も量も違う書類の山が辛いと感じるかもしれません。
看護師資格を活かしきれないかも
CRCの仕事を希望する上で看護師や薬剤師の資格が必須といった決まりはありませんが、実際のところ、治験コーディネーター求人では臨床検査技師や看護師等の医療資格保有を応募条件とするお仕事が多いようです。初めからCRC職を希望して医療業界を志望するなら、看護師や薬剤師といった国家資格の取得を検討しておいて損はないでしょう。
今後もCRCとしてやっていくために

新型コロナウィルスの流行によって製薬開発の重要性は今後さらに加速しますが、それに伴って治験コーディネーターの需要も高まることが予想されます。看護職よりデスクワークや連絡業務、会議が多く、被験者に直接触れる機会は減ります。CRCの仕事のやりがいをどこに感じていくか、看護業務とのギャップに慣れていく必要があります。
看護師時代の生活スタイルに固執しない
病院勤務での看護業務は、日勤も夜勤もおおよその1日の業務フローが決まっています。CRCにもおおまかな1日の流れはあり、担当医療機関で被験者のカルテチェックや検査の段取りと結果の確認など調整を行います。そのすべてを自分でスケジューリングし、複数の治験を同時進行することも普通にあります。土日の緊急対応も覚悟しておき、能動的に自分から動いて進める姿勢が求められます。
他の医療関連職種に転職するとしたら

病院での看護師勤務よりも事務処理や報連相が多いのは、適性をイラブかもしれません。CRCから他職に転職を考えた時、どんな点に気をつけたほうがようでしょうか。
近い職種で治験業界でのキャリアを磨く
治験求人への応募資格には医療系資格または治験業界経験が求められる事が多いです。これまで院内CRCとしてやってきたなら、SMO所属CRCへの転職がしやすくなります。一方、製薬会社やCROに所属する臨床開発モニター(CRA)への転職は要求される条件が異なるため、CRC経験があったとしても有利に働くかは案件によります。似ているようで違う職種ですが、治験キャリアを今後磨いていく上でどちら寄りに重きを置いていくかは意識しておいたほうがよいでしょう。
まとめ

夜勤手当を含む看護師の総支給に比べると、どうしてもCRCの収入は下がりがちになります。また、仕事の辛さの種類も異なります。しかし実際に一度転職して経験してみないと、CRCが自分に合った仕事かどうかは分わからないものです。治験に関連した求人の応募条件はそれぞれ違うため、治験業界に強いメディカル系の転職サービスを利用して比較検討するとよいでしょう。