ナースの夜勤がきつい! 体への影響は? 健康リスクを下げる方法について解説

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夜勤で働くナースは、夜から出勤して朝に退勤する、きつい勤務形態です。日勤と夜勤が混ざった2交替制や3交替制は生活が不規則になりがちですし、夜勤専従にも完全に昼夜逆転する悩みがあります。どのように夜勤のつらさを解消し、健康リスクを下げるとよいのでしょうか。長く夜勤中心のナースを続けるためのノウハウをご紹介します。

夜勤が中心ナースが悩む原因とは?

日勤とは色々異なる点が多い夜勤ですが、その悩みの原因も日勤のナースとは違います。夜間に勤務するナースならではの辛さは、どのような状況で感じるのでしょうか。

仮眠で眠気がとれない

夜勤前には十分な休息を取っているはずですが、夜半をすぎる頃にはやはりある程度の眠気が訪れます。病床業務に差し支えないようナース間で調整して、2時間程度の仮眠を取るのが一般的です。しかし仮眠したにもかかわらず眠気がとれないと辛いと感じるでしょう。

夜勤ナースの人数が少ない=ナース1人あたりの患者数が多い

日勤に比べて、夜勤ナースの人数は少なくなります。患者の数は同じですので、相対的にナース1人あたりが担当する患者の数が多くなります。夜なので問題なければ就寝しているはずですが、オンコールが重なると人数的に同時対応しきれない瞬間が生まれます。体が2つあっても3つあっても足りない忙しさは理不尽で辛いはず。

心霊現象に悩まされる

もちろん気のせいかもしれませんし、あまり大げさに騒ぐほどのことではないのですが、夜の病院といえば「出る」という噂がついてまわるものです。人の生死かかわる場所柄から、夜に勤務しているときに幽霊のような何かや、心霊現象に遭遇したという体験談をちらほら耳にすることもあります。誰もいないはずの病室からナースコール、自動ドアが勝手に開く、仮眠中に金縛りにあう、などの怪奇現象が苦手な人にとっては、病院夜勤のお仕事は辛いものがあるでしょう。

夜勤のお仕事がつらい時の解決法は?

昼夜逆転となる夜勤のお仕事がつらくて辛くて堪らないとき、どのように解決したらよいでしょうか。ケース別に具体的な解決策を考えてみます。

家に帰っても眠れない!

夜勤明けの朝は、外がずっと明るい状態です。人間の体も朝の日光を浴びると交感神経に切り替わり、覚醒状態に移行する仕組みになっています。勤務後に疲れているにもかかわらず、体が眠れないというのはかなりキツいです。なんとかして睡眠をとる方法はないでしょうか。

アロマを焚く

眠れない朝は夜勤明けで疲れた体がリラックスを求めています。快眠に効果があるアロマを焚いてみましょう。柑橘系のベルガモットに含まれる酢酸リナリルには鎮静作用があり、睡眠誘導物質セロトニンを誘発してくれます。緊張を解きほぐす香木のサンダルウッドや、ヨーロッパで寝具などに利用される鎮静系アロマオイルのスウィートマジョラムがオススメです。

白湯またはハーブティーを飲む

睡眠という作用は、上がった体温が下がる時に誘導されます。白湯またはハーブティーを飲むとすぐに体の内側から温まり、それが次第に下がってくるに連れてまぶたが重くなってくるでしょう。寝る前のホットミルクもよく知られていますね。ホットミルクは加熱されているのでお腹がゴロゴロなりにくくなりますが、それでも乳糖不耐症の方には合わない場合がありますので、少量から試してみてください。

軽い運動をする

仕事で疲れているのに運動? と思うかもしれません。「アクティブレスト」というテクニックがあり、疲労時にあえて体を動かすことにより血の巡りが良くなり、疲労回復が早くなるとともに睡眠の導入がスムーズになります。短い時間のストレッチやジョギングが一般的で、自分なりに体が温まるエクササイズを見つけましょう。心理的な側面ではストレス解消効果もあります。

雨の音のBGMをかける

しとしとと降る雨の音には、1/fゆらぎを含むホワイトノイズに似たヒーリング効果があります。夜勤で荒んだ心がリラックスして落ち着き、よく眠れるようになります。雨の音のBGMはYoutubeなどにたくさんアップされていますので、お好みの雨音をさがしてみてはいかがでしょうか。

不眠とは反対に、寝すぎてしまう

人間の体は寝すぎると逆に疲れてしまう様になっています。個人差はありますが、目安として8時間より多い連続した睡眠は必要ありません。気持ちの良い2度寝も、睡眠時間の累計が多くなってしまうと逆効果です。夜勤明けは次の日も休日となることが多いですが、適正な睡眠時間を守ることを心がけましょう。

夜勤のつらさはメリットでカバー

夜通し働いて昼間に寝なければいけない夜間勤務のお仕事は辛いものがあります。加えて、ナースが少なく巡視も休めない職場は、それ相応のメリットが欲しくなりますよね。考えようによっては、夜勤ナースのデメリットをカバーして上回るほどのメリットを実感できるかもしれません。

夜勤手当が多い

夜勤の魅力はなんといってもその高い夜勤手当。ナース夜勤1回あたりの相場は、3交代制なら約5千円前後、2交代制なら約1万円にもなります。夜勤は単位時間あたりの時給が高く設定されているため、よほど激務な職場環境でなければ「割が良い仕事」といえるかもしれません。待遇の良い病院の夜勤求人には応募が殺到することもあるので、早いもの勝ちな職種といえるでしょう。

平日の昼間の時間を使える

日勤の仕事終わりのあと、自由な時間は夜になっていますが、夜勤はそこも真逆です。平日の日中の時間を自由に使えるので、銀行や官公庁が空いていますし、土日に混むようなお店でも夜勤ナースの平日ならショッピングし放題です。

夜勤明けの翌日も休める

2交代制の夜勤明けは、ほとんどのシフトで翌日も休みになります。3交代制は深夜勤のあと準夜勤が入り、その翌日が休みというスケジュールが多いでしょうか。過酷な夜勤だからこそ長い休息が必要になるともいえます。これは確かにメリットではありますが、夜勤専従の方は生活のリズムを夜型から崩さないように気をつけましょう。

つらい夜勤をどうしても辞めたくなったら

あの手この手で夜勤の辛さを癒そうと頑張ってみても、もはや仕事を辞めるしかないという状況にまで追い込まれることもあります。そんな時に選べる解決手段にはどのようなものがあるでしょうか。夜勤を諦めるとという選択はよほどのことなので、可能であれば他の手を考えたいですね。

あえて日勤のみにシフトチェンジする

ひょっとすると、体質的に夜勤という働き方が向いていないかもしれません。合わない時間帯に無理をして働き続けると体を壊してしまいます。そうなることに比べたら、本来の自分にピッタリな日勤ナースで働いたほうが長期的には長続きすることもあります。夜勤手当はなくなりますが、夜勤から日勤へとシフトチェンジを検討してみましょう。

夜勤の求人を扱う医療系対応の人材紹介会社を使う

病院やクリニックの夜勤業務は医療系求人の中でも高条件で志望するナースも多いです。メディカル分野の人材紹介会社としても複数の夜勤案件を抱えており、夜勤希望の求職者に柔軟に対応できるよう準備しています。そうした会社に人材登録して希望条件を伝えておくと、自分で一つづつ求人を探す手間も省けますし、施設との間に入りエージェント役として仲介してくれるのも安心ですね。

夜勤が辛いナース向けまとめ

ナースの夜勤勤務には独特の辛さがあります。日勤と夜勤を兼業するナースと、夜勤専従の人とを比べてもまた辛さの中身も変わってくるでしょう。高い夜勤手当は大きなメリットのひとつですが、それだけで仕事自体の辛さが報われるわけではありません。自分に合った働き方、オフの日の快適な過ごし方を見つけて、無理のない夜勤ナースを続けましょう。

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