訪問看護でブランク明けに働く方法 子持ちで子育てしながら長期勤務

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訪問看護のお仕事はお子さんがいるなどのブランクがある看護師さんにとって復帰しやすい職種です。しばらく医療の現場から遠ざかっていたため、ブランク明けの悩みは処置業務を行えるか心配が尽きないでしょう。メディカルの技術は日進月歩であり、新しくて知らない知識を覚える必要もあります。家庭や子育てと両立しながら、訪問看護ステーションの看護師として働く方法をお伝えします。

ブランク後の訪問看護の悩み

訪問看護師として入職した後、まずは先輩のスタッフに相談しながらの復職スタートとなります。オフの期間が長いほど、看護師としての技術やカンを取り戻せるかという悩みが大きいでしょう。訪問看護が未経験の方は、病院勤務との違いを意識しながら同行してOJTへという流れになります。精神的に不安もあるでしょうが、社会復帰後の悩みに直面したときは、正しい判断ができるベテラン訪問看護師の先輩が心強い存在に感じられます。

仕事と子育てとの両立

妊娠、出産して子育てが始まると、産休育休で一定期間のブランクが生まれます。その長さにもよりますが、看護師の現職に復帰するのは単なる転職とは大変さが違ってきます。看護の仕事に再び慣れるだけでも一苦労なのに、帰宅後の育児を両立しなくてはなりません。

求人サイトで訪問看護の仕事を探す時は、ブランク明けの家庭両立を考慮してくれる職場かチェックしましょう。利用者の自宅に訪問するという形式上、病院よりも日中の移動が多くなります。長い間働くためにも、勤務時間や休日を融通してくれるところが望ましいですね。

最新技術の習得が大変

医療のテクノロジーは日々進化しており、わずか1年で現場の常識がガラリと変わることもありえます。また、医療法や感染症法などの法改正によって法的にできること、できないことが変更されるかもしれません。昨今の世界的なコロナウィルス流行によるパンデミックなど外的要因も不安のタネです。病院によって記録の形式も異なったり、使える技術に差がありますので、いかに現環境へ柔軟に適応できるかがポイントとなります。

コロナ流行などの外的要因

コロナウィルスの蔓延によって、重い疾患を持つ人ほど外出のリスクが増しています。それに伴い訪問看護の需要が高まっており、訪問看護師は今後も必要とされ続けるでしょう。ブランクのあるナースが一人でも多く復帰することが望まれています。最終的にコロナウィルスの流行が収束することはあっても、その後に訪問看護の需要が減るということは考えにくいです。

高齢化社会が今後数十年間に渡って引き続き進行し、在宅での療養を必要とする患者も比例して増えていきます。コロナによって「病院に行くこと自体がリスク」という考え方が強くなってきており、訪問看護で対処できるならそれに越したことはない、と思う人は一定数います。ブランクがあっても、訪問看護師要員が今後も必要とされていくでしょう。

スムーズにブランクから復帰する方法

できるだけ苦労せずにブランク明けから看護職に復帰したいものですよね。前回と同じ職場なら比較的簡単ですが、別の職場でしかも訪問看護となると気をつけたい点があります。自分の心構えはもちろんですが、いかにブランク後に長期に渡って働きやすいかという点から、最適な職場を探すかもポイントになります。

十分な研修体制がある会社

訪問看護の研修体制が充実している職場が見つかったら幸運です。ブランク明けですがやる気はあります、と意欲をアピールしてみましょう。訪看が未経験の人でも受け入れている事業所なら、基本的な所から看護マニュアルが整備されているはずなので、なおさら門戸が広いです。初めから働きやすい職場なら必要以上に体力を使うこともなく、結果として家庭との両立もしやすく、スムーズな転職が期待できます。

柔軟なオンコール当番出勤

平日休日問わず24時間体制で備える訪問看護のオンコール対応は、当番者をシフトで組んで持ち回り担当します。オンコール用ダイヤルの電話が鳴ったら、担当が即応で対応します。電話対応だけでは完了せずに訪問が必要になった場合、もし担当が動けない状況のときは、サブ当番が代わりに出勤することがあります。サブ担が設定されている事業所では、は経験豊かな管理者クラスが務めることが多いようです。

ブランク明けのオンコール対応で戸惑った時に、サブ担当や他のスタッフと連携してフォローしあい、柔軟に対応できる体制が整っているステーションなら安心して入職できるでしょう。子持ちナースの休日は子供の相手で手一杯なことがよくありますので、そうした時に頼りになるサブ当番がいると心強いです。

ブランク明けの復職先に訪問看護を選ぶメリット

育休後の職場復帰先として、訪問看護ステーションを選択するメリットについて考えてみます。訪看は基本的に夜勤がない点が病院と異なっています。そのため、夜勤のキツさが長期勤務の妨げになっていた人には適した転職先かもしれません。

また、ステーションを起点にして各戸を巡回看護するような形の勤務になりますので、移動が苦にならないナースさんなら合っている仕事といえるでしょう。利用者様は入院相当のがん末期や歩行困難な重度難病の方も含まれ、病院での勤務経験は必ず活かされるはずです。

時間外勤務の割増賃金やオンコール手当が出る

子育で中、自宅で待機しながらのオンコール対応には不安がつきものです。育児中は、どうしても手が離せない瞬間というものが1日の中に多々あります。そうした不安に対する対価といってはなんですが、当番者にはオンコール手当がつくことが多いです。また、緊急対応として実際に出勤訪問した場合は、それが休日や深夜なら時間外勤務として加算されることになります。

訪看は基本的に夜勤がありませんが、深夜時間帯ならきちんと割増されますし、オフの日のオンコール対応も給与に追加される所があります。育児中もしっかり稼ぎたい方は、希望してオンコール当番を増やしてもらったり、率先して別の当番者と交代してもらえるようになると上乗せが期待できます。

何事も経験と思って割り切る

看護学生時代は何もかもが初めてで、実習も最初はおっかなびっくりしながら学んでいたことと思います。お礼奉公期間が始まると、想像していた臨床と実際の現場とのギャップに戸惑ったかもしれません。時にはオペ室、時にはICUで幾度も修羅場に立ち会ってきたはずです。現在、それら全てが糧となって看護師としての自信につながっています。結局は何事も経験、と考えれば、今後襲いかかってくるであろう不測の事態や初めての出来事に対する心配が多少は緩和できるかもしれませんね。

どうしてもブランク後の訪問看護に不安があるときは

激務の看護の現場から遠ざかっている期間が長くなると、再就職する気が起きにくくなり、求人応募に二の足を踏むことは当然あります。しかもあえて不安なブランク後に訪問看護という職種を選択するなら、わからないことは事前にできるだけ少なくしておきたいですよね。

訪問看護求人の紹介エージェントを利用する

ブランク明けの就職活動は億劫になりがちです。希望勤務地の訪問看護ステーションを探し、履歴書と職務経歴書を送り、面接の準備をし、という流れを子育てと並行して行うのは心身とも疲弊するものです。訪問看護の求人紹介に対応した転職エージェントに登録すると、書類の提出は最初のみでよく、エージェントがそれを元に最適な訪看の就職先を探してくれる仕組みになっています。

面接日時まで段取りを組んでくれるので、あとは指定の時間と場所で先方と面接をするだけ。就業後のアフターフォローもあるので「思ってた職場と違った」「やっぱり自分には合わないかも」「子育てしながら長期勤務するのが難しくなった」といった就業後の悩みの相談にも乗ってくれます。求職者にはこれといったデメリットもないので、子育てで時間が惜しいブランク看護師こそ利用をおすすめできるサービスです。

まとめ

もしブランク後に院内勤務よりも訪問看護が自分の働き方に合っていることが実際に経験して分かれば、看護師としての復職先の選択肢が増えて嬉しい結果となります。訪問看護事業は今後も利用が拡大すると予想されており、子持ちでブランク中の看護師にとっても期待できる復職先の一つではないでしょうか。

特に病院勤務が辛い、生活スタイルに合わないと感じていた人にとっては魅力的な復職先です。子育でに配慮してくれる職場も数多くありますので、ネットで検索したり転職エージェントに登録したりして居心地の良いステーションを見つけてみましょう。

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